読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

桃とラベンダー

天使の粉だけ 食べて生きるの

鏡の中には地獄があり、天国はその奥にあった

観劇

 

11/14にPHANTOMのPart1とPart2をマチソワで観劇してきました~!

スタジオライフ公演『PHANTOM -THE UNTOLD STORY』

 

そして昼に3時間公演、夜に3時間公演を、しかも続き物をというのがどれほど精神的にも肉体的にもハードがということがよくわかった……でも最初にこのマチソワ観劇をしてよかった!あらゆる痛みと引き替えにしても!見て良かった!具体的にはあたまとおしりが痛いけど!!おしりの方はもう、観劇痛ということでわかってもらえると思いますけど、あたまは何でかって泣きすぎでですよ。もうPart1の途中からずっと泣いてましたよ。ビービーとね。

 

Part1は怪人エリックの出生と、何故エリックが怪人となってしまったかという話なんですけどとにかく辛い展開の連続で、エリックの顔は死者のようにおどろおどろしい顔らしいんですけど、見てるこっちにはその顔は全然見えないもんだから、何の罪も無い子どもがいたぶられているという風にしか見えなくて、だからもうずっと胸が痛かった。また松本慎也さんの演じる少年は、本当に健気で可愛らしいもんだから!

それでも彼を懸命に愛そうとする人、救おうとする人は確かにいて、けどそうした小さな希望の光は圧倒的な嫌悪や憎悪といった、暗い感情の前にあまりにも無力なのだなと、Part1を見終わったときはそう思ってぐずぐず泣いて、特に一度光の方へと導かれた上で突き落とされた絶望の痛みが幕が上がった後も鈍痛となってずっとお腹の中に残ってた。Part2までの長い幕間で喫茶店でずっとぼんやりしてたくらいには残ってた。

 

Part2ではナーディルとの出会いとペルシャでの生活、オペラ座の建築。そして怪人エリックがオペラ座に棲み着きクリスティーヌと出会う、所謂オペラ座の怪人の話が描かれるわけですが、殺人の描写が削られているためかエリックが怪人であるというよりただの可哀想な人にしか思えなくて、許されざることをしているし許してはいけないのだろうけど、それでも自分を慕ってくれる子どもを大切にしたり、奴隷として自分に売られた女が自分を愛してくれないと分かると彼女を手放し*1た彼のことをとても愛しく思った。結局のところ彼は最初から最後まで人間で、ただPart1で諦めることを覚えた彼は、愛してくれないものに対しては簡単に手を離すようになってしまって、それ故にもう少しで手が届きそうな幸せに彼は辿り着けないのかなと思ったら悲しくなってまた泣いた*2

それでも、Part1でほのかに輝いていた希望の光が要所要所で彼を人に留まらせていて、彼が人間として生きようともがいた証が無駄なものではなく、しっかりと彼の人生に息づいているということの集積が彼の最期へ結びついていく光景を美しいと思った。この世で一番醜い男の生涯を表そうとしたら、美しいという言葉しか浮かばなかった。

そしてその美しい生涯を描ききるために丁寧に造り上げられた舞台は無駄と隙のないよく出来た絵本のような美しさで、舞台に立つ演者を含めて一つの絵画のようだった。痛くて悲しくて、そしてとっても美しい舞台だった。

 

 

ファントム〈上〉 (扶桑社ミステリー)

ファントム〈上〉 (扶桑社ミステリー)

 
ファントム〈下〉 (扶桑社ミステリー)

ファントム〈下〉 (扶桑社ミステリー)

 

 

 

と、真面目に感想を絞り出したけど実のことを言うと全編泣き通しで途中とか本当に涙で前が見えないというなんとも残念な有様だったので、多分に見落としていることがありそうなんだな~!いや、でも本当にしんどかった。肉体的にも精神的にもどっとダメージが来る。本当に辛い。でも見て良かった。でもPart1だけ見る日とか本当、精神的ダメージで次の日まるまる寝込むんじゃないかと思う。今週末だけど。

Part2では、彼のことを想ってくれる人はたくさんいたわけだけど、*3そして彼の素顔を知っても彼を受け入れてくれた友もいたのだけど、それでも彼が永遠に得ることが出来なかった(と思い込んでいる)母の愛に似たものを彼は求めて、そして結局彼はクリスティーヌと出会って恋をして。わたしは途中まではクリスティーヌと出会わなきゃよかったのになぁって思ったんですけど、だってクリスティーヌと出会わなかったら彼はただのヤク中の廃人としていずれのたれ死んでいたにしても、でも無駄に傷つくこともなかったんじゃないかと思って。それでも人の愛を諦めきれなかった彼だからこそ最期は人として死ねたんだろうけども。でも結局ラウルも可哀想だし、かといってエリックも手放しで幸せとは言いがたいだろうし、はたまたクリスティーヌが悪かったともいえないし、なんというか、皆が不幸なラストだなと思った。そうしてみんなふしあわせになりましたとさ。

 

ここまで色々書いたけどわたしはオペラ座の怪人を詳しくは知らないので、多分オペラ座の怪人を好きな人が見たらまた印象が違うんじゃ無いかなと思う。ただPHANTOMが怪人を肯定するために書かれたある種の二次創作のようなものと聞いて(ぼんやりしていた喫茶店で聞いた)してやられた、とは思った。まんまと怪人を愛し、涙してしまったし、そして今週末もまたビービー泣くに決まってるし。なんてこった!愛は全てを補完する!ちなみに麻薬を運んでいたジュールがたなかくんだったので、ジュールが「だんなぁ!」ってエリックを慕ったり心配している姿を見るたびに「ジュールがいるじゃろうが!!!!!」てエリックに憤ったのは内緒だよ。ジュール以外では女役を二役演じていましたけど、両方とも可哀想な女で、とってもかわいかったです!!

 

まだチケットあるので、興味のある人は是非とも11/29、12/1、12/6、12/7にチャンスのある6時間耐久PHANTOM地獄に挑戦して欲しいんですが、(ぴあだと12/1と12/7の平日しか残っていないけど!)身体と心がもたないよ!という人は日を改めての観劇をおすすめします。サンモール、3時間でも結構キツいよ!

スタジオライフ公演『PHANTOM -THE UNTOLD STORY』(チケット情報)

*1:結果としてそれは女の死に繋がるけど

*2:ただの涙腺弱い妖怪

*3:Patt1にも本当はいたのだけど